小説を書き始めました。今度の作品は、クラシック音楽をテーマにしました。コンサートホールで音楽を聴いているという設定です。主人公はホールの客席に座ったまま、動かないで物語が進行します。果たしてうまくいきますでしょうか。完成は六月の予定です。 今日は朝から強風が吹きまくって、二時頃から曇ってきて、... 続きをみる
小説のブログ記事
小説(ムラゴンブログ全体)-
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ニムロッド・クラブ解散 連載第15回 1866年(2) フィリップは、『アシーニアム』誌を閉じた。 あれから、三十年が過ぎた。 ロバート・シーマーが亡くなって、その数年後にフィリップは警察を退職した。同時にロンドンを離れオクスフォードに居を移したのだった。こちらでは、学校の臨時教員という職... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第14回 *5*の4 出版社の二人が、四月二十日におこなわれた会合の様子を語った。 *** ディケンズは結婚を期にファニーヒルズ・インの自宅近くに新居を借りていた。 重厚そうな家具に囲まれた部屋。中には真新しい家具も見える。その会食は、さながらディケンズの独演... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第13回 *5*の3 チャップマン&ホール社の一人、ウイリアム・ホールはディケンズの住まい、ファニーヒルズ・インへ足を運んだ。 そこで、ロバート・シーマーの挿絵集に文章を付ける話を持ち出した。 *** < ディケンズさんは、ロバート・シーマーさんをご存じですか ... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第12回 *5*の2 フィリップとイザベラ・スミスがチャップマン&ホール出版社に出向いたのは五月の第一週だった。 ワトソンが警察の副署長に掛け合って、報告書を書くための追加調査という名目で出版社との面談の許可をもらった。だが、シーマーの一件はすでに自殺ということで... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第11回 *5*の1 『リテラ・ゴディカ』紙のイザベラ・スミスはイズリントン管区の警察署に行った。 書記のフィリップ・ストックに面会を求めると、廊下で待たされた。イザベラは今日も乗馬ズボンに上着という格好だ。廊下で待つ間、行き交う巡査たちから好奇の目で見られた。 ... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第10回 *4*の2 『リテラ・ゴディカ』紙では、美術、とくに、アカデミーの現状と改革についての連載を組むことになった。取材対象者として、イーストレイク、フランシス・グランド、エドワード・ランシアなどの著名な画家の名が挙がった。 イザベラは取材の補助役を命じられた... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第9回 *4*の1 ロバート・シーマーの訃報記事を見てイザベラ・スミスは呆然とした。 『タイムズ』紙にその記事が載ったのは四月二十二日だった。シーマーは二十日に亡くなった。三十八歳という若さだ。恐ろしいことに、猟銃を使った自殺だった。その原因は、一時的な精神錯乱とい... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第8回 *3*の3 二人は部屋の中を調べて回った。 フィリップは机の上に別の下絵があるのを見つけた。『ピクウィック・ペイパーズ』第一号に載っていた、スラマー軍医が腕を上げている図だった。 「その絵がどうかしたか? 」 ワトソンが肩越しに覗き込む。 「『ピクウィッ... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第7回 *3*の2 フィリップはワトソンとともにロバート・シーマーの自宅へ向かった。彼の家までは歩いて行く。書記の務めとして筆記用具を出張用の小型鞄に入れてきた。 「亡くなったシーマーとはどんな接点があったんだ」 ワトソンは取り調べ口調になっている。 「去年の十月... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第6回 *3*の1 四月十七日、肌寒い日曜日のことだった。フィリップ・ストックは久し振りに午後の散歩に出かけた。休日の散歩中でも仕事のことは頭から離れない。記録係の一人が長期欠勤しているので、なにもかもフィリップがやらなければならなかった。備品の調達もその一つだ。イ... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第5回 *2*の2 書店をあとにしたフィリップはイザベラ・スミスと肩を並べて歩いた。 「フィリップさんはどう思いますか、この本」 「これが【ニムロッド・クラブ】なのでしょうか。狩猟クラブの話のようだから、その点では合っているのですが、挿絵集でなく小説ですね」 「シー... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 連載第4回 *2*の1 イザベラ・スミスの伯母、従姉妹、親戚まで含めて、スミス家の女性はおとなしく家庭に収まるタイプではなかった。看護婦になった者もいるし、画家を目指している者もいる。それは、年の離れた姪や従姉妹にも及んでいて、まだ十歳にも満たない姪が、登山家になりたい... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 19世紀英国ヴィクトリア朝を舞台に、挿絵画家の死を巡る物語を書きました。 連載第3回 *1*の2 「シーマーさん、実は、私も同業でして、細々と風刺漫画を描いておるんです」 ドイルもまた画家であるというのだ。 「そうですか、ドイルさん・・・ドイルさん、はて? 」 シーマ... 続きをみる
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ニムロッド・クラブ解散 19世紀英国ヴィクトリア朝を舞台に、挿絵画家の死を巡る物語を書きました。 連載第2回 *1*の1 フィリップ・ストックは、ロンドンの北部イズリントン管区の警察署の書記である。 1835年十月、良く晴れた秋の一日、彼はハムステッド郊外の湖に釣りに出かけた。市の中心部... 続きをみる
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いま書き進めている小説、舞台は19世紀のロンドン、1840年頃の話です。今回は警官が出てくるのですが、警官の台詞が大阪弁になってしまいます。 「お前のやったことだと分っとるんや。ええ加減、白状せんか」 みたいな感じです。 これを、普通に書くといま一つ面白くありません。 「お前のやったことだと... 続きをみる
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小説を書き上げた。原稿用紙で150枚くらいの長さになった。長すぎるから5枚分、2000文字ほど削ろう。これから細部を手直しすると、完成までには半月はかかる。 今回は、やや暗い話になったので、それを和らげるために、面白そうなネタをいくつか混ぜてみることにした。
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先月、九月に新作「彼女は赤い傘を忘れる」を投稿したのですが、さっそく次の小説に取り掛かっております。今月は資料集めと読み込み、来月から書き始めて、早ければ年内に投稿したいと思います。まだ、内容は秘密です。この、資料の読み込み段階が一番難しい。大学の研究紀要レベルのものを読むのは頭が疲れます。 ... 続きをみる
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前回までのあらすじ・・・津川は野々宮歩夢と知り合う。歩夢は合コンで出会った相手がアイドルオタクだったと嘆く。また、最近、会社の入っているビルでよく人違いされると言う。さて、津川は仕事の関係で肉筆浮世絵の展覧会を観る。その受付の女性が歩夢に似ていた・・・ 連載4 彼女は赤い傘を忘れる 一階に着... 続きをみる
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前回までのあらすじ・・・津川は野々宮歩夢と知り合う。津川がオペラ「死の都」の話をすると、歩夢は、合コンで出会った男性がアイドルオタクだったと打ち明ける。 連載3 彼女は赤い傘を忘れる 【津川将司の見た夢(あるいは『死の都』第二幕・第三幕)】 〇 暗い道を歩いていると友人に出会い、彼が持って... 続きをみる
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前回までのあらすじ・・・津川がバーで、観てきたオペラの話をしていると、きれいな女性が現れ・・・ 連載2 彼女は赤い傘を忘れる 野々宮歩夢はカクテルを飲み干した。いい飲みっぷりである。大きなため息をつき、それから話し始めた。 「彼のことなんだけど」 マスターは予想通りといった感じで津川を見た... 続きをみる
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本日から、このブログにて、新作、「彼女は赤い傘を忘れる」を四回にわたって掲載してまいります。よろしくお願いいたします。 彼女は赤い傘を忘れる オペラを題材にした小説の四作目です。今回取り上げたのは、エーリッヒ・コルンゴルド作曲、オペラ『死の都』です。1920年初演のオペラです。 登場人物 ... 続きをみる
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小説サイトに投稿している私の小説、すでに十作品ほどになりました。 その中で、一番読まれているのは「美人画廊(令和版)」です。これは、かなり多方面に取材して書いた小説でした。英国世紀末、ラファエル前派、ヴィクトリア朝の絵画について詳しく書いたつもりです。伏線もあるし、〇〇〇な事柄もそれとなく忍ば... 続きをみる
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新しい小説を書き上げた。意外と早く書けた。だけど、インパクトがない。あまりにも平凡だ。 前半は伏線のオンパレードで、それを伏線と思われないように書くのが一苦労。今度は後半で伏線を解決しないといけなくなる。これも、読み手が、前半のあの言葉は、実はこうだったのかとなるように工夫して書く。 これか... 続きをみる
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連載ー5 「小説 ヴォツェック」 今回は、オペラ ヴォツェックの第三幕と、アルテハイムの町の続編です。 前回までのあらすじ 私は祖父の残した写真に写った場所を探してドイツのアルテハイムの町へ行った。そこで、ルルという女性と知り合い、彼女の家でお爺さんから、私の持ってきた写真にまつわる話を... 続きをみる
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連載ー2「小説 ヴォツェック」 【作者より】今回掲載分から、オペラ ヴォツェックが始まります。主人公がドイツに来た話の中に、オペラをそっくり挿入しています。 前回までのあらすじ 私は祖父の残した写真に写った場所を探してドイツのアルテハイムの町へ行った。そこで、ルルという女性と知り合い、彼女... 続きをみる
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連載ー2 「小説 ヴォツェック」 アルテハイムの町(1)の2 前回の要約・・・私は祖父の残した写真の場所を訪ねるためドイツのアルテハイムという小さな町に行った。そこは、かなりの田舎だったが、偶然通りかかったルルの車でアルテハイムの町へと向かった・・・ 十五分ほど走ると城壁が見えた。写真にあ... 続きをみる
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今回から、私の書いた小説を何回かに分けて掲載してまいります。よろしくお願いいたします。 「小説 ヴォツェック」は、オペラを小説風にした作品です。 今回は、アルバン・ベルク作「ヴォツェック」を題材にして書きました。 「ヴォツェック」は怖くて不気味なオペラです。貧しい兵士が人体実験により精神状... 続きをみる
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最近の執筆活動の報告。 このところ、オペラを小説風にした作品を書いています。その第一作の冒頭部分を掲載してみました。よろしくお願いいたします。 ***** 前書き・・・この小説は、リヒャルト・シュトラウス作曲、オペラ『ナクソス島のアリアドネ』を抄訳、翻案したものです。くわしい探偵社の小夜子さ... 続きをみる
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ハズレ本とは、期待した割には面白くなかった本です。 不可能な過去・警視庁追跡捜査班 堂場瞬一 ハルキ文庫 十年前に無罪判決が確定した事件で、その犯人から、真犯人は私です、との告白状が送られてきた。しかし、一事不再理によって捜査はできない。これに、四年前の未可決事件が絡んでくる、というミステリ... 続きをみる
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くわしい探偵社 第四話 天気晴朗ナレドモ ここは横浜市の外れにある「くわしい探偵社」である。社長も社員も小夜子さん一人だけしかしない。 小夜子さんは新聞の朝刊を手に取った。 一面は、【戦況は膠着状態。黒海のロシア戦艦モスクワ沈没】という見出しだ。二月に始まった戦争は収まるどころか依然とし... 続きをみる
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くわしい探偵社 第三話 看板に偽りあり ここは横浜市の外れにある「くわしい探偵社」である。お客さんが来ないので、社長兼探偵員の小夜子さんは今日もすることがない。 郵便受けに大手の探偵事務所の広告が入っていた。 その広告チラシには【秘密厳守・安心価格】の文字が大きく書かれている。当社の特徴は... 続きをみる
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くわしい探偵社 第二話 古文書の謎 ここは横浜市の外れにある「くわしい探偵社」である。昨日も今日も、朝から開店休業状態。社長であり探偵員の小夜子さんは暇だった。 小夜子さんは自治会館の掃除に駆り出された。今年は回覧板を回す係になっていた。こちらは順番で回ってくるからいたしかたないが、自治会館... 続きをみる
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・このブログ、まだ冬眠中なのですが、ときどき目覚めて、自分の書いた小説を掲載してまいります。 くわしい探偵社 第一話 逆さまの額縁 ・・・ 男は床に転がった死体に背を向け、壁に掛かった絵を眺めた。それから、壁の額縁を外し上下逆さまにして掛け直した。 とたんに額縁が前に傾く。 「落ちる、誰か... 続きをみる
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短編小説、三作目です。 新幹線ができたから遊びに来て、と友人に誘われた。西九州新幹線のことである。つい先日、9月23日に佐賀県の武雄温泉駅と長崎県の長崎駅の区間で開通した。 その友人とは大学のときに九州方面に旅行に行ったことがあった。長崎にも一泊したのだが、夜景は素晴らしいし、ホテルもサービ... 続きをみる
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短編小説、二作目です。11月12日掲載の第一作を先に読むと、人物、場所の設定などが分かりやすくなります。 妖精の写真 私の散歩コースは家を中心に東西南北、幾つかのルートがある。ヨーカドーで買い物するときは北回り、アップダウンの道を歩きたいときは西コースなど、その日によって方角を変えている... 続きをみる
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短編小説を書きましたのでこのブログに投稿します。よろしくお願いします。なお、短編集なので次の作品も準備中です。 短編集 その一 「アカボシゴマダラ」 横浜市P区にある東中町第二公園の周辺は、かつては鬱蒼とした林が広がっていたそうだ。もちろん私の生まれる遥か以前のことだ。 私は朝の散歩で第二... 続きをみる
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自分でも小説を書いているので、あちこちの小説投稿サイトを拝見しています。ですが、最近の傾向に付いていけなくなりました。 これまでは投稿者が高校生、大学生くらいだと思っていたのですが、いまや、中学生、または小学生まで年齢が下がってきたのではないかと思われます。小説の文体があまりにも幼過ぎる。語彙... 続きをみる
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新作の小説、ウトパラの蓮を書く際に参考にした書籍です。 自分が知らない世界について、いろいろな本を読み、それをもとに小説を組み立ていくのが好きです。 参考文献 秘史密教のすべて 新人物往来社 正木晃 はじめてのチベット密教 春秋社 正木晃 チベット密教の神秘 学研 正木晃 立川武蔵... 続きをみる
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ウトパラの蓮 その3 ここではチベットの寺院に描かれている壁画の模写をしています。 那須川花恋・・・絵画のモデル ヤブユム・・・男性守護尊をヤブ、女性守護尊をユムという 午後の制作はペンコル・チューデという寺にある、守護尊『チャクラサンヴァラ』のヤブユム像であった。男性の守護尊が前を向い... 続きをみる
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ウトパラの蓮 その2は小説の中ほどの部分です。 ここでは主人公が仏教について考察しています・・・ 密教では女性の尊格が尊重されている。尊格とは仏や菩薩、明王などの総称である。インドやチベット密教ではターラー菩薩や守護尊の明妃、ダーキニーなど女性の仏、もしくは神が盛んに信仰されている。 ター... 続きをみる
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新作の小説、ウトパラの蓮を少しだけご覧ください。 ウトパラの蓮 ここは横浜のみなとみらい地区にほど近い画廊である。 今日の展示を終え、この時間はすでに閉店していた。隣のビルの灯りに照らされて店内の様子は薄ぼんやりと見えている。 画廊の入り口近くの壁に掛かっているのは曼荼羅の水彩画だ。いず... 続きをみる
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美人画廊 22話 最終回 あれ・・・ そこでふと気が付いた。 先ほどの外国の預金書類をもう一度見直す。 円じゃない。 金額の末尾は円ではなくドルの表記だった。 二十万円だと思ったものが二十万ドルだったのだ。 ええと、そうすると、1ドルが100円として・・・ 頭の中では計算でき... 続きをみる
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美人画廊 21話 第二章(6)ー1 奈々未は一人で留守番である。孝夫は十時過ぎに銀行に行くといってでかけた。ロンドンの画商に頼んだ版画が届くはずなので留守中に来たら受け取ってくれということだった。 店番をしながらキッチンやリビングの掃除をした。 リビング兼書斎には本棚や机、ロッカーがあ... 続きをみる
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美人画廊 20話 第二章(5)ー2 *映画の出演者で集合写真を撮っていると奈々未さんにピンチが・・・ 警備集合! 声が掛かった。俳優陣が到着したのだ。 スタッフが降りてきた。もうすぐ十二月だというのに、Tシャツにジーンズといういで立ちだ。続いて、撮影のADさんたちに囲まれるように五十... 続きをみる
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美人画廊 19話 第二章(5)ー1 美容室の池田さんが来た。商店街の事業局だというインドカレーのお店をやっている人も一緒だった。 奈々未はその事業局長から、ポスターのモデルになってもらえないかと頼まれた。商店街の大売り出しセールに使うのだそうだ。社長の孝夫も了承してくれたので引き受け... 続きをみる
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美人画廊 18話 第二章(4)ー2 * 奈々未さんの黒歴史が白日の下に・・・ 三日後、奈々未、孝夫、それに庄司画材店で集まった。少し遅れて水上愛理がやってきた。愛理は孝夫とは詐欺を持ちかけにきた際に一度顔を合わせている。庄司画材店とは初めてである。 「お二人が揃っているということは、アルファ画... 続きをみる
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美人画廊 17話 第二章(4)ー1 版画の売れ行きは好調である。新堀画廊では販売用の版画が足りなくなって知り合いの画廊から融通してもらっているくらいだ。美術品のオークションで販売用のインテリア版画を仕入れることになった。 画廊に展示する世紀末絵画はおもにイギリスの画商から購入している。社長の... 続きをみる
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美人画廊 16話 第二章(3)ー2 *今回掲載分も絵画の考察です。 「この間、台風が来たでしょう」ふいに樋口先生が話題を変えた。 「十月の台風19号、千曲川が氾濫して大勢の人が亡くなった。あのとき、東京で河川敷が増水してホームレスが避難所へ行ったんだけど、住所が不定では入れないと断られたそ... 続きをみる
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美人画廊 15話 第二章(3)ー1 *今回と次回は世紀末絵画に関する考察が続きます。 新堀画廊ではラファエル前派の版画を展示するために大幅な入れ替えをおこなった。 『魔法にかけられるマーリン』『プロセルピナ』などに加え、バーン=ジョーンズの『眠り姫』四点、ロセッティの『ベアタ・ベアトリクス』... 続きをみる
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美人画廊 14話 第二章(2)ー2 *クルーズ船の版画入札、台風上陸・・・今回もいろいろあります。 版画展の二日目、地味なリクルートスーツに合わせて、初日は化粧も控えめだったが、二日目は俄然攻めまくった。鼻筋をくっきりとさせていっそう高く見せ、眉を描き足しアイラインも濃い目にした。 この... 続きをみる
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美人画廊 13話 第二章(2)ー1 *本日もご訪問くださりありがとうございます。 八月の末、連日の猛暑が続いていた。 その週末には版画家、本地隆明の個展が予定されていた。新堀画廊にとってはめったにない大掛かりな個展である。版画家の本地隆明は風景画を得意とする版画家で、県の美術家協会の副会長... 続きをみる
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美人画廊 12話 第二章(1) 河田奈々未が新堀画廊に勤めて一か月が経った。 今ではアルバイトというよりは、新堀画廊の社長、吉井孝夫の恋人のような存在になった。 台所やリビング、その奥にある彼の寝室にも自由に出入りしている。孝夫の寝室は意外と狭くてベッドを置くだけでいっぱいだった。ベッ... 続きをみる
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美人画廊 11話 第一章(6)ー2 *階段を上がってくる足音がして、もしや元カレかと期待が膨らみますが・・・ 「康司さん!」 違った、康司ではなかった。 中年の髪の薄い男性だった。一階に事務所を構えている、このビルの大家だ。これまでにもたびたび顔を合わせたことがあったが、あまりいい印象は残... 続きをみる
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美人画廊 10話 第一章(6)ー1 奈々未が以前働いていたイベントの会社から、未払い分の給料を支払うという電話が入った。 社長である元カレの木山康司と別れ、会社にも行きづらくなって、いつの間にか辞めた格好になっていた。それで、給料のこともうやむやになっていたのだ。二十万円くらい残っていた... 続きをみる
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半年ほど休んでいましたが、帰ってきました。 その間にも、何も書いていない、何も変化していないブログをご訪問いただいているようで、ありがとうございました。 これからよろしくお願いします。かおるこ