くわしい探偵社 第四話 天気晴朗ナレドモ ここは横浜市の外れにある「くわしい探偵社」である。社長も社員も小夜子さん一人だけしかしない。 小夜子さんは新聞の朝刊を手に取った。 一面は、【戦況は膠着状態。黒海のロシア戦艦モスクワ沈没】という見出しだ。二月に始まった戦争は収まるどころか依然とし... 続きをみる
2023年1月のブログ記事
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くわしい探偵社 第三話 看板に偽りあり ここは横浜市の外れにある「くわしい探偵社」である。お客さんが来ないので、社長兼探偵員の小夜子さんは今日もすることがない。 郵便受けに大手の探偵事務所の広告が入っていた。 その広告チラシには【秘密厳守・安心価格】の文字が大きく書かれている。当社の特徴は... 続きをみる
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くわしい探偵社 第二話 古文書の謎 ここは横浜市の外れにある「くわしい探偵社」である。昨日も今日も、朝から開店休業状態。社長であり探偵員の小夜子さんは暇だった。 小夜子さんは自治会館の掃除に駆り出された。今年は回覧板を回す係になっていた。こちらは順番で回ってくるからいたしかたないが、自治会館... 続きをみる
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・このブログ、まだ冬眠中なのですが、ときどき目覚めて、自分の書いた小説を掲載してまいります。 くわしい探偵社 第一話 逆さまの額縁 ・・・ 男は床に転がった死体に背を向け、壁に掛かった絵を眺めた。それから、壁の額縁を外し上下逆さまにして掛け直した。 とたんに額縁が前に傾く。 「落ちる、誰か... 続きをみる