アメリカ大統領選(スーパーチューズデー)

 3月5日はアメリカ大統領選の候補者選びの山場、スーパーチューズデーでした。共和党はトランプ氏の圧勝、これでもう正式な候補者に決まりですね。ヘイリー氏は撤退を表明しました。ですが、トランプ氏を支持するとは明言しませんでした。トランプ氏は幾つかの裁判を抱えているので、まだすんなりとはいかないかもしれません。


 民主党はバイデン大統領が候補者になるのでしょうが、81歳という高齢は隠しようがなく、歩き方がヨボヨボです。こちらも、8月の党大会で候補者入れ替えの可能性もあり得ます。


 アメリカの投票方法は州ごとに異なっていて、投票用紙にチェックを入れる、マークシート方式、パンチで穴を開けるなどがあります。投票用紙はA4くらい大きくて、それをFAXみたいな器械で送付します。アメリカでは日本のように候補者名を文字で記入することはしていません。というか、世界的にも日本の記名式の方が特別なのでしょう。


 トランプ氏の強固な支持基盤はキリスト教の福音派で、原理主義とも言えます。福音派は、聖書に書かれていることをすべて事実であるとし、忠実に守ろうというグループです。たとえば、もうすぐ最終戦争、つまり、ハルマゲドン、アポカリプスが起きると信じ、それを望んでいます。また、ダーウィンの進化論を認めておらず、学校で進化論を教えない州もあるそうです。進化論を認めないと、人間と恐竜が一緒に存在することになります。進化論を教えないのは非科学的であり、そういう人たちがトランプを支持していると言えます。それだけでなく、その傾向は、他の教育にも及び、科学、数学、歴史、哲学、芸術などの分野も偏った知識、もしくはレベルの低い教育内容になってしまうのではないでしょうか。


 話は逸れますが、日本の学校教育は、世界的に見てほぼ妥当な内容を教えていると思われます。もちろん、西欧の普遍的な価値観に沿っていることは言うまでもありません。その教育を全国民の9割くらいが身に着けているというのも強みです。さらに、世界中のおもな知識、たとえば、哲学では、プラトン、ニーチェ、サルトルなどの著作を日本語で読むこができます。それは文学でも科学でも、学術分野全般で同じことです。日本語で世界中の知識が手に入るのですから、なんとすごいことでしょうか。