自民党の処分

 自民党の政治資金不記載を巡って、当該議員の処分がありました。処分の内容について考えてみます。重い処分、離党勧告は塩谷氏と世耕氏の二人でした。塩谷氏は旧清和会派の座長だったし、世耕氏は、自らの知人を旧清和会派の会計責任者として連れて来て、一連の政治資金疑惑の発端を作った責任があります。離党勧告は当然です。


 他の幹部は、これより軽い、党員資格停止、役職停止などの処分でした。西村氏と下村氏は資格停止一年間、他の幹部数名は資格停止半年でした。党員資格停止になると、次期選挙の候補予定者から除外され、公認もされないと思われます。


 この処分の「裏の思惑」を考えました。塩谷氏は74歳という年齢なのでこのまま引退でしょう。世耕氏は選挙に強くて無所属でも当選可能です。前回の参議院選では全得票数の70パーセントを獲得しています。


 また、党員資格停止は長くても一年なので、来年の五月ごろには処分が解除されます。処分が明ければ、いわば、責任を果たしたことになります。処分期間中に選挙になると、公認されず、当選は覚束ないでしょう。


 衆議院選挙は処分が明けるまで引き延ばし、来年の六月か七月に衆参同日選挙になると思われます。これなら、党員に復帰して、公認されるので、処分された議員も納得できるでしょう。むしろ、恩義を感じるかもしれません。世耕氏も当選して復党可能です。その間に、岸田総理は、自民党総裁に再選されることでしょう。なかなかうまく考えられた処分内容だと思います。