政治の動き(3月・一回目)

 政治の動き(3月・1回目)


 今回は岸田政権が実行している政策について述べます。


 岸田政権では、低所得者への給付と所得税減税を実施します。


 このうち、給付金は一世帯ごとに7万円が支給されます。


 所得税減税は六月に実施予定で、所得税3万円と住民税1万円、合わせて4万円で、こちらは納税者一人ずつが対象です。子供手当てなども拡充されるので、標準世帯で12万円ほど戻ってくるそうです。また、富裕層(二千万円以上)は除外しています。金持ち優遇ではありません。減税の目的は物価高に対処するためで、岸田首相が言うところの「成長と分配」になります。


 過去の減税について遡ってみると、前回の減税実施は1999年、小渕内閣のときでした。その後、小泉政権になって減税は廃止されました。それ以降、麻生政権で給付金がありましたが、民主党政権や安倍政権では減税はおこなわれませんでした。従って、岸田政権での減税実施は、およそ20年ぶりになります。20年もできなかったことを実施するのですから、岸田首相は実行力があるのではないでしょうか。しかも、この減税策は、自民党の安倍派の裏金疑惑が表面化する前に決定したので、いわゆる人気取りではありません。


 他には、2022年に安全保障政策を見直し、防衛力の強化を決めたことです。防衛費をGDPの2パーセント程度まで増加することも決定したようです。また、周辺諸国の情勢に対応し、日本を守るため、敵基地攻撃のある武器を整備することを目指しています。そのため、アメリカから巡航ミサイル、トマホークを購入するとのことです。もちろん、専守防衛に徹するのは基本です。どうやら、偶然ですが、すでに自衛隊はトマホークが使える発射装置を装備していたそうです。つまり、持っていた大砲とトマホークの砲弾の大きさがピッタリだったということです。これも、岸田政権で初めておこなったことです。私は、防衛力を整備すると同時に、国民の間でしっかり防衛意識を持つことを議論するのも必要だと思います。


 また、LGBT理解増進法も制定しました。こちらは当初案よりはいささか後退した内容で、欧米に比べると時間的に二周回遅れになりました。さらに、エネルギー政策では原発再稼働も認めました。そして、パーティー券裏金疑惑が起こると派閥解散を宣言しました。これも思い切った政治改革の方策でした。また、株式相場も上昇していて、これは経済状況が上向いている証拠です。岸田首相が就任した時の株価は、29600円だったので、10000円も上がったことになります。賃金、時給も上昇傾向にあり、まさに「旧宏池会」生みの親、池田勇人総理の言った「所得倍増計画」です。


 こうしてみると、岸田政権は、これまで成しえなかったことを実行している内閣だと言えるのではないでしょうか。もととも旧岸田派・旧宏池会は、自民党の中ではリベラル、左派寄りです。なので、野党の考えも取り入れやすく、弱い立場の人たちの意見も聴ける傾向にあります。裏金疑惑ばかりが目立ちますが、岸田内閣は着実に政策を実行しています。


 アメリカは移民とウクライナ並びにイスラエル問題を抱えており、中国は不動産バブルが崩壊しています。ロシアは侵略戦争にのめり込み、ヨーロッパ各国は移民とエネルギー、農業政策で混乱しています。日本は上記のような課題に直面しておらず、関わっていても影響は少ないと言えます。日本は経済成長は順調で、移民やエネルギー問題も深刻ではありません。


 つまり、岸田政権になって以来、国益を損なうような失政はなかったということになります。野党が追及する裏金問題ばかり大々的に報道されているのは、本筋を見落としているのだと思います。