政治の動き(3月)

 昨日、政治資金問題を巡って政治倫理審査会が開かれ、岸田首相が、自民党総裁として出席しました。旧清和会の五人が出席を拒んでいたので思い切った作戦に出たのでしょう。派閥の解散をおこなったときもそうでしたが、岸田首相は、ほとんど独断で進めていて、まるで大統領制の政治を見ているかのようです。


 審査会では、岸田総裁の話は不記載事案が発生したことへの謝罪から始まり、その経緯を述べ、今後は銀行受理込みを推進する、再発防止策として政治資金規正法の改正を検討することなどを説明していました。とりあえずは納得しました。公開でおこなったことも良かったと思います。


 いろいろ過去の政局を調べてみると、この根底、つまり、総裁が率先して出席した背景には、かつての「加藤の乱」の影響があるのではないかと思いました。森政権の末期、宏池会の加藤紘一氏が森首相に退陣を迫ろうとしたのが「加藤の乱」です。森喜朗氏は清和会(安倍派)です。野党が提出した不信任案に賛成票を投じるべく、自ら乗り込もうとする加藤氏を、谷垣禎一氏たちが「あんたは大将なんだから」と引き留めました。そのとき、岸田氏は一部の報道では血判状を携えていたとか。しかし、それも虚しく「加藤の乱」は不発に終わりました。その当時、岸田氏は加藤氏と共に決起したかったのでしょう。そして、年月が経ち、岸田氏としては、大将自ら出席して、なおかつ、旧安倍派の五人も引きずりだしたことによって、そのとき怨念を晴らしたと言えるのではないでしょうか。


 それにしても、自民党の裏金疑惑はいつまで続くのでしょうか。野党は、しきりに説明責任をと繰り返しますが、実は、旧安倍派の西村氏、世耕氏たちは、1月の19日前後に記者会見をして自身の政治資金について説明しています。たぶん、野党は会見を見逃したか、忘れちゃったのでしょう。国会でこの問題ばかりやっているみたいで、なかなか政治が前に進みません。年度内に予算を成立させて、能登半島地震の復興を急がなければなりません。立憲民主党などの野党は何でも反対で、建設的な議論はせず、追及することしかできないようです。