連休中に読んだ本

 連休中に読んだ本です。


 「ドイツ・ナショナリズム」 今野元 中公新書


 神聖ローマ帝国の時代から現代にいたるまでのドイツ政治、哲学、歴史学におけるナショナリズムの概要書です。非常に難解でした。一回目に読んだときは、ほぼ理解できず、ドイツ史の知識を頭に入れてから、二度目に挑戦して、何とか三割くらい理解できました。
 ナショナリズムは、民族と領土がうまく結びつけば豊かな国民性となるのですが、これが行き過ぎると他民族の排斥であるとか、他国への侵攻となります。ドイツのナショナリズムが最悪の形で高揚したのが、ヒトラーのナチズムと言えます。ドイツでは哲学者、思想家、大学教授などが展開する考え方が政治と結びつく傾向があります。


 この著書に書かれていたことの中から「道徳の棍棒」について述べます。これは1960年代に使われた言葉です。その内容は、道徳論の形をした下剋上、というものです。「道徳の棍棒」を用いるときは、暴力、破壊でも許されるとされ、革命がそれに該当し、日本の尊王攘夷もその一つです。



「言語が消滅する前に」 千葉雅也・國分功一郎 幻冬舎新書


 哲学の本です。
 二人の若手哲学者の対談形式をとっています。能動態、受動態の間に「中動態」というのがあって、ラテン語では・・・ここから先が難解で、理解できていません
 この対談は2017年から2021年におこなわれたものです。さすがに、七年前となると、コロナ以前なので、いかにも古いし、この人たちは何で危機感を持っていないのかと思えてきました。それに、全体的に弱々しいと感じました。