海底の活断層が動いた

 能登半島地震、その後の報道によれば、海底の活断層が動いたのが原因だったそうだ。
 活断層とは過去二十万年の間に動いた断層のことをいう。日本列島に人類がやってきたのが四万年前、石器時代を経て、古代史の時代になって、奈良時代から現代まではたった二千年。活断層は二十万年という、とてつもない長いスケールだ。


 能登半島地震は半島の北側にあった海底の活断層によって起こった。陸地側の地盤が断層の境界面に沿ってズリ上がった。つまり、断層の両側から押される力が働いたようだ。そのため、海岸の海底が隆起して、最大では4メートルも持ち上がった。


 活断層はおもに陸地の地下にある。阪神淡路大震災や熊本地震は地下の活断層による直下型地震。活断層によって起こる直下型は、震源の真上は被害が甚大だ。なにしろ、地盤そのものが上下にズレるので、いくら耐震設計の家でも倒れることがある。だが、少し離れると被害は少ない。阪神淡路大震災の神戸と大阪がその例だ。(これに対して、東日本大震災はプレート型の地震だった)


 活断層は二十万年という長い期間のスケールの話だから、有史以来、動いたことのない活断層も存在する。
 今回の地震で、海底にも活断層があることを初めて知った。海底の活断層についてはほとんど調査が進んでいないのだろう。
 地震は、いつ、どこで、どのような規模で発生するのか予測するのが困難だ。