能登半島には、かつて鉄道があった

 能登半島地震はますます被害が深刻になってきた。私たちにできることは募金ぐらいだろうか。


 がけ崩れや道路の破損で車が通れないので救助・救援活動もままならない。
 現在、能登半島の北部には鉄道がない。金沢までは新幹線が走っている。そこからは七尾線が和倉温泉まで行き、その先は、のと鉄道があるのだが、穴水が終着駅になる。かつて、穴水から輪島までと、珠洲方面にも鉄道があったそうだ。今は廃線となってしまった。鉄道がなく、道路が通れないのでは物資を届けるのも大変なことだ。


 逢坂剛氏の小説、「百舌の叫ぶ夜」には珠洲市が出てくる。主人公の一人が、東京から珠洲市へ向かうときは、金沢から列車を乗り継いで輪島方面に進み、穴水で乗り換えて蛸島に向かい、途中の珠洲駅で下車した。東京へ戻るときは、北陸本線で金沢、福井を経て米原に行き、東海道新幹線で東京まで行ったことになっている。北陸新幹線が開通する前は、東京から米原に行って、列車を乗り継いで金沢方面に行くのが最速ルートだったようだ。
 小説を読みながら地震の被災者への思いを馳せる。