無題(かつて、学生運動があった)

 かつて、1970年代に、連続企業爆破事件に関与したグループのメンバーだったK氏を名乗る人物が現れ、まもなく病死した。末期がんだったそうだ。しかし、そのK氏本人かどうかはまだ分からない。


 この一連の事件、とくに三菱重工業ビル爆破事件は多くの犠牲者を出した。現在の時点から振り返ってみると、学生運動が盛んだったことや、過激派と称する人たちがいたことなど俄かには信じ難い。40代、50代の人から見ても、「革命」など、まったく思いもつかないと言えよう。その当時は、社会主義革命を信奉した人たちがたくさん存在したのだろう。日本政府に反発し、その背後にいるアメリカに敵意を抱く。しかし、日本には「革命」は起きなかった。だから、マクドナルドもあるし、スターバックスコーヒーもある。ファッションも、生活スタイルも完全に欧米の資本主義を取り入れている。今後も日本は民主主義、資本主義、そして、自由と権利を保証された国であり続けるだろう。


 学生運動に参加した人は、現在は70歳から80歳になっている。必ずしも反権力、反体制ではなかったとしても、学生運動に影響を受けた人は多かったことだろう。その人たちは、つまり、どこにでもいる70歳、80歳の高齢者だ。今では年金生活をおくっている年齢になった。とはいえ、町内会とか自治会で、「〇〇反対」と叫ぶ老人は見かけたことがない。回覧板、回してるだけだ。回してちょうだい回覧板。