十角館の殺人

 綾辻行人氏の名作ミステリー、これが映像化されるということだ。この大トリック、どうやったら映像化できるんだろう。原作通りなら不可能としか思えない。
 私もこの作品読みました。映像化の話を聞いてまた読み返してみた。


 トリックに触れないよう感想みたいなものを書きます。十角館の殺人は、閉鎖された空間で起きる連続殺人事件です。舞台は無人の島に建っている十角館です。そこへ大学のミステリーサークルの数人がやってきて・・・殺人が起きるストーリーです。


 結末を知っていても凄さが分かる、それくらいの歴史に残る大トリックです。その一行を読んだときは大衝撃でした。ミステリーを楽しむためには最高の作品です。


 全体的に叙述がいささか冗長で、間延びしているところがあります。その反対に、トリックを成立させるために、意識的に避けて書かない部分もあって、理解しにくくなった面があります。
 また、登場人物がお互いをニックネームで呼び合っているのですが、殺人が起きているのに、それでも本名で呼びません。小説の肝心な部分なので、ニックネームで呼ぶのは致し方ないところです。しかし、死んだ人が人間でなく物体のように思えてしまいました。
 最後の場面はトリックの種明かしのために長い独白になります。二時間ドラマのラストみたいでした。しかも、誰に頼まれてもいないのに自分で犯行状況を告白、というか、説明しています。


 ミステリーなので、トリックを明かさずに感想を書くのが難しくて、批判みたいになってしまいました。