学生の抗議、難民移送

 今日は長めのブログです 


 アメリカでは不法移民がメキシコとの国境に押し寄せて、これが大統領選でも大問題になっています。民主党は移民容認、共和党は移民受け入れ反対の傾向があります。アメリカには年間70~80万人の移民が流入しているとのことです。


 また、ヨーロッパではドイツ、フランス、イギリスなどに多くの移民が来ています。ヨーロッパではむしろ難民といえます。中東のシリア、アフガニスタン、アフリカのスーダンやソマリア、などの政情が不安定な国からの難民です(不法移民・不法滞在者・難民・亡命希望者は異なるようで、これらの言葉の使い分けが難しくて私も混乱しています)。


 イギリスでは、つい最近になって、不法に入国した滞在者、亡命希望者をルワンダに送る法案が可決成立しました。不法移民はルワンダから来ているのではありません。なぜ、ルワンダかというと、ルワンダは、難民条約に加わっていて難民が迫害を受けるおそれがないこと、また、国連難民高等弁務官事務所と連携して、難民申請希望者を受け入れていることが理由です。さらに、イギリス政府がルワンダに対して、難民受け入れ対策費として、およそ460億円を拠出したそうです。


 ルワンダに送られた人々がそれぞれの母国に強制送還されることはない、というのですが、果たしてどうなるのでしょう。ルワンダは数十年前、内戦で多くの人が亡くなった過去があります。
 イギリス本島は四方を海に囲まれていて、フランスからドーバー海峡を渡って入ってくるようです。日本も島国なので、イギリスと同じ状態です。日本でも正規の手続きを経た移民は受け入れてもよいと思いますが、不法移民は流入しないようにしてもらいたいと思います。


 イギリスの放送局のニュースを見ていたら、ルワンダ移送の反対集会を取材していたレポーターが、抗議する人たちともみあいになっていました。そのとき、レポーターは「as you can see」、「ご覧の通り」と言ったのですが、イギリス独特の発音で、このasがアズではなくアジに聞こえました。アジを見てください、まるで魚屋みたいです。また、ok、オーケーを、okay、オーカイと発音してました。


 さて、四月の半ばから、アメリカではイスラエルとパレスチナの紛争を巡って、大学での抗議活動が激しくなっています。イスラエルがガザへの攻撃を続けていることに対して学生が抗議を始め、そこに、パレスチナを支持する学生が増えてていきました。学内の敷地にテントを張っていたまではよかったのですが、校内の建物に侵入して占拠したので警官隊が突入して学生を拘束しました。この学生は大半が退学処分になっています。
 アメリカの大学にはアメリカ国籍を持つユダヤ系、イスラム系の学生もいれば、さらに、ユダヤ系、イスラム系の留学生がいます。これでは騒動になるのも当然でしょう。そして、それを取り締まる警官がアフリカ系であり、テントの後片付けをするのが東洋系、ヒスパニック系の人とくれば、日本人から見たら、何でこんなに外国人ばかりなのかと思えてしまいます。それが、アメリカ社会なのですから、致し方ありません。


 そうこうしているうちに、五月になり、アメリカの大学では卒業シーズンになりました。アメリカでは五月、六月がおもな卒業のタイミングです。実は、パレスチナ支持、イスラエル支持は一部の学生だけであって、ほとんどの学生は抗議には参加せず、ここで卒業証書を得て、就職や研究など次のステップを目指します。それでも、抗議を続ける学生もいて、すると、今度は、警官隊に対して、一般の学生から「USA,USA」コール、すなわち、アメリカを支持する、応援する声援が沸き起こっていました。


 パレスチナを支持する、英語では「pro-palestine 」と言います。pro-は「親」という意味で、親パレスチナとなります。プロは日本語ではおもに「専門」と使われますね。また、抗議するは、protestなので、proが二つあって、これまたややこしいことになります。