過去の作品は恥ずかしくあるけれど

 小説サイトに投稿している私の小説、すでに十作品ほどになりました。


 その中で、一番読まれているのは「美人画廊(令和版)」です。これは、かなり多方面に取材して書いた小説でした。英国世紀末、ラファエル前派、ヴィクトリア朝の絵画について詳しく書いたつもりです。伏線もあるし、〇〇〇な事柄もそれとなく忍ばせてあります。たとえば、こんな感じ。


 ときにはお泊りもしている。
 泊まった日は孝夫が朝ご飯を作ってくれるので、起こされるまでベッドから出ない。
 奈々未はルームウェアにボサボサの頭でリビングに下りていった。両膝を立てて座り、大きな欠伸をする。
 テーブルの上はロールパン、紅茶、生ハムと野菜サラダ、朝から健康生活だ。
 片手でスマホをいじりながらロールパンを丸ごと齧った。
「あ・・・」
 孝夫はご丁寧にパンを千切って食べていた。


 過去の小説は、今となってみれば直したいところがあって恥ずかしくもあるけれど、これはその時の自分が書いたものとして受け入れるしかないです。


 「美人画廊」「ウトパラの蓮」「小説 ラインの黄金」「小説 ヴォツェック」「くわしい探偵社」など、公開中。
 NOVEL DAYS ステキブンゲイ、縦書き文庫などをご覧ください。作者名は「かおるこ」です。
 新作は十月公開予定。